2 文章の組み立て方
……文章の書き方
(1)何のために書くのかを考える。(目的と対象、読み手への期待。自己確認のために書くのか、第三者に読んでもらうために書くのか。原稿の性格付けが必要。誰が読むのかをはっきりさせる。読み手を考えた文章構成になっているか。説明か、感想かによってその書き方は異なる)
(2)テーマを決める。(内容を考える。2年間の思い出を書くのか、今後の抱負を書くのか)
(3)書く内容を考える時間と、実際に書く時間に分ける(起承転結を構想し、書きたいことのストーリーを箇条書きにしてみる。内容の整理が重要。何をどう書くのかをはっきりさせた時点で書き始めるのがコツ)
(4)じょうずな文章を意識するよりも、分かりやすい文章に心がける。何を伝えたいか、知らせたいかを明確にする。読み手の反応を考えながら書く。自分で分かっていることは、省略しがちになるので注意。(「出張先では、雨が降っていたので調査できなかった」という文章では、中途半端。説得力に欠ける。大雨だったのか、台風だったのか、その状況を具体的に書く)
(5)専門用語や読み手にわかりにくい言葉は、文章の中で説明が必要。(特に地名などは、本人がわかっているだけで、読み手に分からない場合が多い。どこにある、どのような場所なのか)
(6)「これ」「それ」などの代名詞は多用せず、できるだけ具体的な言葉に置き換える。
(7)多用な意味を持つ動詞は、できるだけ言い換える。(新聞を「見る」のか「読む」のか。機械を「動かす」の場合、操作するのか、移動させるのかなどと多用な取り方がある)
(8)あいまいな形容詞、副詞は感覚的に使う場合以外は使わない。(高いビル、古い写真よりも具体的な階数や年代が分かった方が具体的で、読み手が理解しやすい)
(9)文章の中に登場する事柄で、あいまいなものは確かめること。実際にその場所に行くことや、第三者に聞くことが大切である。「歩く」「見る」「聞く」ことが、その内容の信憑性を高めることになる。わからないことをそのままにしない。記憶だけにたよらないこと。
※まず辞書、辞典を準備しよう。わからない漢字、意味はすぐ調べる習慣をつけよう。わかっているつもりは、文章を書く上で一番のマイナスだ。
(1)一文(センテンス)は、40字前後でまとめると読みやすい。
(2)一つの文の中では、一つの事柄だけを述べる。(一文ですべてを表現するのには無理がある。しかも、接続詞を用いて書き続けると前半と後半では、それぞれ別な事柄を言っている場合が多い)
(3)わかりやすい文章のポイント
(ア)一文をあまり長くしない。40字程度で。
(イ)一文の中で、接続詞を多用しない。「が」で、文章をつなげない。「が」を使いたくなったら文をいったん切る。
(ウ)主語、述語の関係に注意する。
(エ)語句の順序に注意する。(主語の位置、修飾語の位置など。書いた後、音読してみると文章がスムーズに流れているかが確認できる)
(4)「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」という文章構成の基本をいつも念頭におく。また、最後に「だから、どうした」と考える習慣をつける。
(5)会話文は「 」でくくる。他人から言われた言葉で、強調したい場合も同じ。
(6)漢字、数字、送り仮名などは統一した表記にする。
(7)文体を「だ・である」調、「です・ます」調のどちらかに統一する。「 」で囲んだ会話などはその限りではない。
(8)引用文(日記・手紙・他人の文章)を用いるときは、自分の文章と完全に区別する。原稿用紙に書く場合(パソコンも同じ)は字下げして転載した方がよい。(2字程度)
(9)読点の使い方に注意すること。「、」を打つ場所を間違えるとその文章がまったく違った意味になってしまう。自分で書いていて分かりにくい場合は音読して、打つ場所を確認する。
例文として
警官は、バイクに乗って逃げた犯人を追った。
警官はバイクに乗って、逃げた犯人を追った。
(10)長い文章を書く場合は、内容が変わったところに小見出しを入れると読みやすくなる。