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知られざる日光

『知られざる日光』

読売新聞社宇都宮支局編/解説 千田孝明

1200年前から独特の文化を培ってきた日光。山岳信仰、祭礼、避暑地、宗教文化、ホテル。その歴史と埋もれていた秘話を織りまぜながら日光の謎に迫る。読売新聞栃木版に連載した63回に時代解説、年表を加えた。

A5判/152頁/定価1601円(本体1456円+税)


目 次

 まえがき 読売新聞社宇都宮支局「知られざる日光」取材班 8

古代
 遺跡は語る “狩猟民族”マタギが先住 14
 揺らぐ定説 勝道上人以前に僧の影 16
 揺らぐ神話 開祖の定説に疑問符 18
 二荒山碑のナゾ 伏せられた上人入山の「時」 20
 神仏の争い 上人阻んだ霊峰信仰 22
 歴史の敗者 小野氏巡る伝説脈々と 24
 神橋のナゾ 先住民の祭事の場か 26
 星の信仰 上人伝説誕生の源? 28
 本家はどちら 二荒山神社、論争120年 30
 修験道の盛衰 “霊山”繁栄に貢献 32
 宗教文化 天台宗が霊地を制覇 34
 座主職の争い 寺社領統括巡りし烈に 36

中世
 規律と栄華 僧職千人厳しい暮らし 40
 寺社領の民 広大な霊地支えた農村 42
 霊地の政治力 開祖巻き込む争いの構図 44
 緑の先覚者 杉林に残る座主昌源の名 46
 無言の大行 山内170か所駆け巡る 48
 大行の足跡 巡拝路に息づく自然 50
 二荒神の祭礼 上 厳寒消え、春の喜び 52
 二荒神の祭礼 下 子供減り、ピンチに 54
 没落への道 上 僧たち秀吉に敵対 56
 没落への道 下 壬生氏、霊地の実権 58

近世
 天海のナゾ なぜ短期間に大事業か 62
 遷座の秘儀 上 霊地に輝く北極星 64
 遷座の秘儀 下 家康が神の「大権現」 66
 東照宮の波及 全国550社が祭った 68
 男体山の登拝 上 7日まで夜間開放 70
 男体山の登拝 下 女性解禁、明治11年 72
 元和の東照宮 極彩の装飾は少なく 74
 ナゾ多い杉並木 松平正綱が1代で? 76
 庶民拝観で繁栄 約360年前に始まる 78
 ガイドの隆盛 女性登場は昭和27年 80
 国際化のルーツ 朝鮮通信使が最初 82
 神領民の奉仕 将軍参詣に大動員 84
 農民の苦しみ 上 重い負担、助郷制度 86
 農民の苦しみ 下 神領に洪水や冷害 88
 よみがえった楓 東照宮に気品漂わせ 90
 彫刻のロマン 上 配置に法則と意味 92
 彫刻のロマン 中 遊ぶ子供が中心に 94
 彫刻のロマン 下 舜帝は家康を示す? 96
 彩色の奥義 上 日々に表情変わる 98
 彩色の奥義 下 狩野派の秘伝解明 100
 奉仕者の暮らし 上 粛々と仕え46代目 102
 奉仕者の暮らし 下 凶作で生活破たん 104
 商人の活躍 社参の荷物を輸送 106
 門前町の宿命 上 災害の危険性今も 108
 門前町の宿命 下 大雨の度に土石流 110
 ゆばの源流 京都から伝わった? 112
 養源院の秘話 370回忌控え思い 114
 おらが国意識 上 甘え生む誇り、特権 116
 おらが国意識 下 今求められる創造性 118

近代
 ホテル誕生 ヘボン博士に宿提供 122
 湖畔の夜明け 涼求め外国人どっと 124
 2つの碑文 マス放流“陰の主役” 126
 避暑地外交 釣り場で国際親善 128
 近代登山の幕開け 絶景、外国人を魅了 130
 請願書 名ばかりの保護も 132
 学校日誌 「日光小」120年の歴史 134
 御用邸 大正天皇、23回ご滞在 136
 巌頭の感 衝撃、藤村操「哲学の死」 138
 電話第1号 「ハイ、古橋旅館です」 140
 軌道線 市内交通の「功労者」 142
 命名のなぞ 48のカーブに由来? 144

日光略年表 146

あとがき 読売新聞社宇都宮支局長 青山 信昭 150