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自由民権運動と地方政治-栃木県明治前期政治史

自由民権運動と地方政治

栃木県明治前期政治史

大町 雅美

「本書は地方政治家の活動を民権運動、立憲政体下にあって民党と政府の関係を通して、これらを視野に入れ、栃木県という地域社会の中で検討することにした」。自由民権運動に牽引された近代日本の歩みを地方政治史から捉えた労作。半世紀の研究がここに結実!!

A5判/384頁/定価5500円(本体5000円+税)


著者プロフィール

大町雅美

1927年、宇都宮生まれ。
1950年、東京高等師範学校(現・筑波大学)西洋史科卒業。
栃木高校をふりだしに、教職に就き、宇都宮商業高校定時制、宇都宮女子高校教諭、壬生高校教頭、栃木県立図書館副館長、鹿沼高校校長、宇都宮東高校校長を歴任。その後作新学院大学経営学部教授に就き退官。現在に至る。

●主要編著書
『戊辰戦争』(雄山閣)
『草莽の系譜』(三一書房)
『維新変革期における在村的諸潮流』(共著 三一書房)
『幕末の農民一揆』(共著 雄山閣)
『栃木県の歴史』(共著 山川出版社)
『新井章吾』(下野新聞社)
『栃木県の百年』(山川出版社)

目 次

第一章 幕末維新期の思想変遷
 一節 平田国学と民権思想
  1 篤胤学と草莽隊の限界
  2 平田国学と民権運動
 二節 民衆意識の高揚
  1 地方民会をめぐる民衆
  2 間中村(小山市)に見る民権思想

第二章 民権結社から政党組織x
 一節 新聞・演説に見る自由民権
  1 民権論の台頭
  2 結社組織化の動向x
  3 明治一四年演説会
 二節 自由党・立憲改進党の成立
  1 政党結成と組織化
  2 自由党の組織化
  3 「立憲改進党」結党と在地動向
  4 集会条例追加改正後の政党

第三章 明治一六年・七年の政治動向
 一節 官撰戸長と住民
  1 戸長公撰より官撰
  2 官撰戸長制と県民
 二節 民権運動会と政党
  1 懇親会と運動会
  2 立憲改進党の胎動
  3 自由党内の新潮流
 三節 激化事件│加波山事件
  1 自由党の動揺と暗殺計画
  2 爆裂弾への道
  3 事件と栃木県人
  4 同志横断的結合の芽

第四章 立憲改進党に見る政治基盤
  地方名望家福島一造の思想と政治
 一節 地方名望家の台頭
  1 名望家の自立化
  2 受容と抵抗の姿勢
  3 抵抗の姿勢と論理
 二節 立憲改進党の顕在化
  1 再請条約改正断行建白書と改進党
  2 立憲改進主義者の分布

第五章 地方政社と大同団結運動
 一節 大同団結運動と星亨
  1 大同団結運動と論調
  2 地方動向と星亨の宇都宮転籍
  3 県会議員選挙に見る政党間の画策
 二節 地方政社と建白運動
  1 地方政社の成立
  2 下野倶楽部芳賀支部(芳賀倶楽部)の組織
  3 三大事件建白運動
  4 政社と建白運動

第六章 立憲国家への政治動向
 一節 第一回総選挙と政党
  1 総選挙をめぐる民党対立
  2 第一区(河内、芳賀郡)に見る総選挙
  3 第二区(上・下都賀)に見る総選挙
  4 第三区(安蘇、足利、梁田)に見る総選挙
  5 第四区(塩谷、那須)に見る総選挙
 二節 立憲国家への模索
  1 第一回総選挙後の民党
  2 旧自由党の統一問題
  3 下野立憲自由党の成立
  4 星亨と立憲自由党大会
  5 栃木県内の政派の動き

第七章 第二回総選挙と自由党
 一節 総選挙をめぐる党内対立
  1 自由党大会と星亨
  2 第二回総選挙をめぐる政情
  3 星亨の立候補
 二節 星亨の政治姿勢と選挙
  1 星亨をめぐる論調
  2 県会議員選挙と政情
  3 星亨の選挙戦

第八章 自由党内部の動揺・模索
 一節 第三議会と政党
  1 第二回総選挙後の自由党
  2 政党諸派と自由党
  3 新井章吾と星亨
 二節 自由党内の路線対立
  1 関東会と神奈川党員
  2 大井憲太郎脱党と関東会
  3 新井章吾をめぐる諸問題
  4 第四議会をめぐる自由党

第九章 星体制の危機と第三回総選挙
 一節 第四議会と星体制の危機
  1 政治家星亨の危機
  2 板垣│星体制の危機
 二節 第五議会と総選挙
  1 第三回総選挙と県民動向
  第一区、星亨対横堀三子
  第二区、自由党内の対立
  第三区、田中正造の独走
  第四区、自由党の危機
  2 第三回総選挙後の政治動向
  3 第六議会と政党

 結語
 あとがき