随想舎 

虫で遊ぶ

園部 力雄

 この本は、虫の遊び方を伝授する本ではありません。私が、どうやって虫で遊んでいるかを書いた本です。
 私は虫網を持って生まれてきたような人間で、小さいころから、ずっと虫採りをしてきました。
 春は毎日、モンシロチョウを追いかけ、またドウダンツツジの花に来るシロスジヒゲナガハナバチやハナアブ、シマハナアブ、アシブトハナアブをつかまえ、夏は毎日、アブラゼミをつかまえていました。私の人格形成に、虫がずいぶん貢献してくれたことは確かです。
 この本は、虫の知識を与えるつもりで書いたわけではありません。
 虫にはこんな遊び方があるということを、感じていただければ幸いです。昨今のように写真をふんだんに取り入れた本ではありません。図も少し載せますが、足りないところは適宜、想像して下さい。

A5判/並製/128頁/定価1320円(本体1200円+税)
ISBN 978-4-88748-178-7

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著者プロフィール

園部 力雄  (そのべ りきお)

1947年 栃木県二宮町で生まれる。
1948年 栃木県小山市に移転し、高校時代までそこで過ごす。
1966年 東北大学理学部生物学科に入学し、仙台市に移る。
1970年 東北大学大学院理学研究科に入学。
1977年 栃木県の高校教諭となる。県央、県南の5つの高校に勤務。
2008年 定年退職となる。

大学時代は、シカの糞を食べるコガネムシ類や、クロヤマアリ類を主に研究対象とする。高校に勤務してから、さらに直翅類などに幅を広げる。また高校に勤務していた間、栃木県立博物館にも3年間(1996~1998)、特別勤務を命ぜられ、研究員として昆虫の展示や調査に携わる。現在はコナジラミ類や植物の調査に力を入れている。

現在 とちぎ昆虫愛好会幹事
   栃木県植物研究会会長

目 次

第1話 エノキの木の下で
第2話 ケヤキの虫探し
第3話 ハモグリムシ(葉潜り虫)のこと
第4話 エゴノキにつく虫
第5話 いろいろなオトシブミ
第6話 アリジゴクを追って
第7話 ミノ虫のこと
第8話 イラガ類の幼虫
第9話 ドクガ類の幼虫
第10話 カノコガを飼育
第11話 訪花性のスズメガについて
第12話 クスノキにつく壁虱
第13話 ムシクサコバンゾウムシのこと
第14話 アスナロヒジキにつくガのこと
第15話 ウメシロカイガラムシのこと
第16話 セミヤドリガとハゴロモヤドリガのこと
第17話 ハゴロモ類の幼虫について
第18話 クロマドボタルの飼育
第19話 カメノコハムシ類のこと
第20話 コガタルリハムシのこと その1
第21話 コガタルリハムシのこと その2
第22話 コガタルリハムシのこと その3
第23話 サンゴジュハムシのこと
第24話 シダ食の虫のこと
第25話 最後にゴイシシジミのこと