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朝鮮通信使・琉球使節の日光参り
三使の日記から読む日光道中
佐藤 権司
寛永13年(1636)朝鮮通信使が、正保元年(1644)琉球使節が、初めて日光山を参詣した。両国使節大歓迎の異文化ブーム、日光参詣の実際と意義、廃止の理由などを追う。付章に沿道に残る通信使の大絵馬と、三使の横顔を収録した。通信使・琉球使節の各三度の日光道中を日記と史料でたどる江戸初期東アジアの外交秘話。
A5判/並製/224頁/定価1980円(本体1800円+税)
ISBN 978-4-88748-163-3
著者プロフィール
佐藤 権司 (さとう けんじ)
1934年(昭和9)栃木県日光市今市に生まれる。
元公立小・中学校校長。元藤原町史編さん専門委員。元今市市・芳賀町史編さん専門委員。栃木県歴史文化研究会・鹿沼史談会所属。元今市史談会会長。
●著書
『日光領の農民世界-生活と文化を育てた人々』(随想舎)/『藤原町のおもしろ地名』(藤原町)
●共著
『栃木県地名大辞典』(角川書店)/『栃木県の地名』(平凡社)/『栃木県歴史人物事典』(下野新聞社)/『とちぎの史跡をめぐる小さな旅』(下野新聞社)/『杉並木物語』(今市市)/『続日光近代学事始』(随想舎)など
●論文
「幕末の会津西街道における商品流通」(『栃木県史研究』第20号)/「幕末南山地方における元締め経営の一形態」(『野州史学』第6号)など多数
目 次
第一章 東アジアの外交と朝鮮・琉球使節
朝鮮・琉球使節の来日
東アジアと秀吉の朝鮮出兵
通信使の定着へ
両国使節の旅行程
対馬の国書改作
第二章 幕府の準備と通信使日光行事情
幕府の歓迎準備
日光行の打診
日光行の背景
激動期の東アジア
通信使の構成
使節を見る人
環境と見物規制
第三章 江戸から糟壁泊へ -千住、草加、越谷、糟壁
本誓寺から千住宿へ
草加宿と松並木
越谷・糟壁宿の客館
同道できない天海
礼式を思う宗義成
第四章 利根川を越えて下野小山泊へ-杉戸、幸手、栗橋、中田、古河、野木、間々田、小山
杉戸・幸手・栗橋宿
栗橋宿と利根川舟橋
栗橋宿の昼休み
栗橋宿の警備
中田宿と松並木
将軍宿泊の古河城
白亜の三階櫓
小山宿の客館
小山宿の感慨
第五章 新田宿から宇都宮泊へ-新田、小金井、石橋、雀宮、宇都宮
石橋宿の昼食
宇都宮の城と商業
朝鮮菓子の準備
南龍翼の宇都宮詠
宿舎粉川寺
第六章 徳次郎から今市客館泊へ-徳次郎、大沢、今市
上徳次郎宿
杉並木寄進碑
大沢宿と大沢御殿
今市宿客館
地名の事情
三郎戦死の所
今市客館の夜更け
第七章 通信使の日光遊覧と参詣-日光のむら、東照宮、大猷院、今市客館の二泊目
神橋(御橋)
誤解と賞賛
朝鮮国王の銅鐘
オランダ燈籠を見る
東照宮の参拝
大猷院の参拝
日光の詩作抄
二泊目の今市客館
第八章 琉球使節の江戸上り-琉球の事情と使節の特徴
明・清と琉球
幕藩体制下の琉球
構成・人数・謁見
使節の行列
江戸人の見物
琉球物の出版
不幸な琉球観
琉球使節の特徴
第九章 琉球使節の日光参り-行程・準備・歓迎
三度の日光参り
日光路の歓迎
維新後の琉球
第十章 両国使節の意義と日光参りの廃止
両国使節と日光参り
幕府の財政危機
日光山経営の安定
社会状況へ配慮
幕府の朝鮮観と易地聘礼
付章
付章1 沿道に残る朝鮮通信使の大絵馬
通信使を見た感動 186
氷川神社蔵絵馬〈埼玉県川越市〉
医王寺蔵絵馬〈埼玉県騎西町〉
小松神社蔵絵馬〈埼玉県羽生市〉
大川島神社蔵絵馬〈小山市〉
沼鉾神社蔵絵馬〈佐野市
出流山満願寺蔵絵馬〈栃木市〉
栃木県立博物館蔵朝鮮使節行列図(屏風)〈宇都宮市〉
栃木県立博物館蔵朝鮮通信使来朝図(掛け軸)〈宇都宮市〉
東照宮蔵東照社縁起(絵巻)〈日光市〉
個人蔵の祭礼絵巻〈宇都宮市〉
土浦市立博物館蔵の祭礼絵巻〈茨城県土浦市〉
付章2 朝鮮通信使の三使・記録者・通訳官
薩摩の想夫恋
個性派揃いの使節団
黄允吉(生没年不詳)〈正使〉
任絖(一五七九~一六四四)〈正使〉
尹順之(一五九一~一六六六)〈正使〉
申濡(一六一〇~一六六五)〈従事官〉
趙★(一六〇六~一六七九)〈正使〉
兪★(一六一四~一六九二)〈副使〉
南龍翼(一六二八~一六九二)〈従事官〉
朴安期(生没年不詳)〈読祝官〉
洪喜男(生没年不詳)〈通訳官〉
藤智縄(生没年不詳)〈通訳官〉
申維翰(生没年不詳)〈製述官〉
室町江戸期の日本・琉球(沖縄)・朝鮮の外交通商関連略年表
参考文献