日光の狂歌
二荒風体を詠む
竹末 広美
江戸時代後期、川柳とともに広く庶民に愛好された狂歌は、「日光文化」が開花した日光の地でも流行した。稀覯本『興歌詞花集』『興歌金玉集』の全文を紹介するとともに、山水連の活動や狂歌作者について探究する。
四六判/320頁/定価2750円(本体2500円+税)
ISBN 4-88748-102-0
著者プロフィール
竹末 広美 たけすえ ひろみ
1953年、栃木県に生まれる。学習院大学法学部卒業。現在、日光高校教諭。『藤原町史』・『いまいち市史』・『鹿沼市史』の各編さん委員を務める。栃木県歴史文化研究会会員(下野近世史セミナー世話人)。著書に『下野じまん―番付にみる近世文化事情―』『日光の司法―御仕置と公事宿―』(随想舎)、論文に「日光宿の研究」(『歴史と文化』創刊号)などがある。第1回ふるさととちぎ歴史文化研究奨励賞受賞。
目 次
はじめに
第一章 「二荒風体」を詠む
凡例
『二荒風体詞花集』
解題
『二荒風体興歌金玉集』
解題
歌集中の他国の狂歌師
第二章 「二荒風体」を鑑賞する
鑑賞二五首/二荒風体とは
第三章 日光狂歌の流行
狂歌流行と日光/狂名の自由さ/江戸の連と狂歌師/下野の連と狂歌師
下野の狂歌師(日光を除く)/山菅連の人々/山水連の人々
歌集中の山水連の人々/錦絵摺りの豪華本/千菊園訓彦と奉納額
芍薬亭長根と追悼会/柳川重信と挿絵画工/河野守弘と『下野歌枕』
檜園梅明と名所名物/山口安良と狂歌合/下野の狂歌本
第四章 日光狂歌の旗手
1 法草庵廬山
四方赤良と日光/日に五百首を詠む
2 鳳鳴閣
大僧正慈観/狂歌師鳳鳴閣/鳳鳴閣の評価
3 台星子癡嚢
安養院の狂歌師/二荒ぶりの一体
4 金仙窟観山
狂名は仏道者を表す/山水連の実力者
5 無闇と厭求
6 槙栄子三千文
芭蕉と高野将監/狂歌師三千文
7 鳳梧園花門
8 葦園正名
鳳鳴閣と正名/山水連と大芦連/詠草・書状の往来
9 芦中子正照
10 紫房女
11 その他の狂歌師
主な参考文献
あとがき