尊徳
栃木・茨城・神奈川・静岡・福島の仕法
大木 茂
栃木・茨城・神奈川・静岡・福島各県での仕法をはじめ、二宮尊徳の歴史、家庭生活、教育観などを、三二〇〇点の写真・図版を駆使して詳細に解説した約二〇〇〇頁の大作。偉大な包容力を持つ巨人・二宮尊徳(二宮金次郎)を追い、一八年間にわたる研究の成果がいま結実!
A5判/1936頁/定価27500円(本体25000円+税)
ISBN 4-88748-094-6
著者プロフィール
大木 茂 おおき しげる
栃木県茂木町に生まれる
昭和44年 宇都宮大学教育学部社会科専修卒業。県立高校教諭として奉職
昭和53年 宇都宮大学教育学部史学研究室に内地留学
昭和60年 栃木県立博物館学芸部人文課主任研究員(近世・近代担当)として赴任
平成5年 教科(高校日本史)用検定調査審議会調査員任命される
平成12年 栃木県教育委員会より永年勤続30年の表彰受ける
平成13年 退職(32年間教職にあった)
目 次
上巻 目次
「尊徳―栃木・茨城・神奈川・静岡・福島の仕法」の出版によせて
栃木県知事 福田昭夫 氏
一、金次郎の風貌(姿・顔)、スタイルとは
1 岡本秋暉筆先生五十六歳の画像
2 荒川泰輔刻先生壮年時代の木像
3 春木南溟筆先生六十七歳の画像
4 齋藤芳也刻先生櫻町時代の木像
5 先生少年時代の像
二、金次郎像の変遷
コラム〈逸話〉1 “金次郎ブーム”寸劇
三、苦難と克服
1 大地主二宮家
2 一家離散
3 二宮家の再興と桜町仕法
コラム〈逸話〉2 極貧金次郎の恥辱心
四、桜町領三か村
1 桜町領三か村と宇津家
2 桜町領の仕法の展開
コラム〈逸話〉3 物井村甚左衛門
五、桜町領への赴任と第一期仕法の開始
1 桜町領への赴任
2 徹底した村内廻村
3 信賞必罰の精神
4 借財の整理
5 御趣法金・米の貸付
6 荒地の開発と堰・堀普請
7 入百姓による横田村の再興
8 農具と肥料の配布
9 桜町仕法の受難と成田山参籠事件
10 仕法第一期の成果
コラム〈逸話〉4 文政十二年二月の金次郎
六、桜町仕法第一期の特色と性格
1 仕法の特色
2 大久保忠真公と金次郎
3 桜町仕法命下る
4 仕法の心得と分度の確立
コラム〈逸話〉5 金次郎・忠真を諫める
七、桜町仕法第二期の展開と成果
1 新たな貸付「報徳金」の創設
2 入札と表彰
3 中堅農民の育成
4 道路・橋梁・用排水の整備
5 荒地の開発
6 天保四年の飢饉と仕法
7 天保七年の大飢饉と仕法
8 将軍家慶の日光社参と仕法
9 日掛縄
10 小児養育
11 東沼村の与惣兵衛と金次郎
12 仕法第二期の成果
コラム〈逸話〉6 雉と鶏
八、東郷陣屋における仕法
1 真岡東郷陣屋への移転
2 試みの仕法と障害
3 仕法の展開
4 西沼村妙光寺除地の開発
5 熊倉分の開発
6 台町の道路の改修と古家修繕
7 東郷陣屋付近の開発
8 真岡本陣の新築
9 西沼村の開発
10 大島村の開発
11 大前堰とその普請
コラム〈逸話〉7 水のリサイクル
九、茂木(谷田部)藩(細川氏)領茂木の仕法
1 茂木(谷田部)藩領の荒廃と衰乏
2 茂木(谷田部)藩領復興への道
3 藩家老中村勧農衛の活躍
4 尊徳仕法についての茂木の文書紹介
5 その後の茂木(谷田部)藩と金次郎
6 まとめとして
コラム〈逸話〉8 ある水戸藩士の悔恨
十、芳賀の門弟と報徳社
1 金次郎にかかわった人々
2 西沼村の丈八
3 吉良八郎
4 物井村の岸右衛門と不二孝の人々
コラム〈逸話〉9 海外の金次郎像
十一、烏山藩の仕法
コラム〈逸話〉10 『桜町拾実』(菅谷八郎左衛門)
十二、石那田・徳次郎(栃木県宇都宮市)の仕法と下石橋(栃木県石橋町下石橋)の仕法
コラム〈逸話〉11 ゴミ問題を考える
十三、日光御神領の仕法
コラム〈逸話〉12 芋文化の系譜
下巻 目次
十四、うけつがれる金次郎の精神
コラム〈逸話〉13 「きょうは二十八日」
十五、栃木県外の仕法
1 福島県相馬藩の仕法
2 茨城県の仕法
3 神奈川県・静岡県の仕法
4 北海道の仕法
5金次郎ゆかりの地と人物
コラム〈逸話〉14 灰塚村の円次の話
十六、金次郎の家庭生活・教育観と修身
1 金次郎の家庭生活と教育観
2 「報徳社」の起源
3 二宮尊徳(金次郎)「翁の家憲」
コラム〈逸話〉15 天皇ご訪米と尊徳の天皇像
修 身 1 学問【Gakumon】
「言い訳人生」を送らない
修 身 2 孝行【Koukou】
いまこそ問いたい「親」という存在
十七、先人の著作にみる金次郎の事跡と報徳精神の継承
十八、栃木県の金次郎少年像
栃木県知事対談
二宮金次郎(尊徳)記念館、資料館
二宮金次郎(尊徳)略年表
二宮金次郎(尊徳)関係主要文献一覧
あとがき