随想舎 

日光領の農民世界

生活と文化を育てた人々

佐藤 権司

「かみほとけ」を敬い、清貧に生きた日光領89カ村の農民の暮らし。ここには現代社会に通ずる工夫と勤労の姿があった。日光領農民の創造性と人間愛の部分を、史料にもとづいて描く。彼等の生活実態をおよそライフサイクルに構成してみると、その真剣な生き方に限りない愛着が持てる。第1回随想舎歴文研出版奨励賞受賞

A5判/216頁/定価2200円(本体2000円+税)
ISBN 4-88748-062-8

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著者プロフィール

佐藤 権司

1934(昭和9)年今市市生まれ。元公立小、中学校校長。元藤原町史編さん専門委員。藤原町文化財保護審議会委員。今市市・芳賀町史編さん専門委員。栃木県歴史文化研究会・鹿沼史談会所属。今市史談会会長。

目 次

序 章 日光領と農民のあらまし

1 「神領意識」とくらしの意識
  第一節 「神領意識」
  第二節 村議定にみるくらし

2  生産と金融
  第一節 朝鮮種人参
  第二節 炭と麻
  第三節 銅鉱石と砥石
  第四節 水車・漁業・酒造・居酒屋
  第五節 栗山道の商品流通と「日光物」
  第六節 金融

3  女性と婚姻・離別
  第一節 伝兵衛妻と長畑村のせん
  第二節 下岩崎村のむすと越後のきの
  第三節 婚姻と離別

4  子育てと教育
  第一節 子育てと産育
  第二節 初等・中等教育

5  信 仰
  第一節 神社と寺
  第二節 男体山禅頂

6  時代を映すくらし
  第一節 生類憐れみの令
  第二節 異文化体験
  第三節 情報社会
  第四節 老いと死

7  近代への苦しみ
  第一節 農民兵と天狗党
  第二節 戊辰戦争