随想舎 

南米日系人の光と影

本間圭一・解説:喜多川豊宇

ブラジル移民90周年。祖父の地ニッポンで彼らがみたものは!! 日本と南米における日系人の実情を克明に取材した渾身のルポ
A5判/208頁/定価1980円(本体1800円+税)
 ISBN 4-88748-008-3

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目 次

はじめに
足跡をたどって

第1部 デカセギ日系人社会から

信頼得て人材を紹介 派遣ブローカー
賃金未払いなど相次ぐ 就労トラブル
立場弱く、悲劇も 労 災
自営業に進出目指す 脱・デカセギ
迎えの母にも「変なガイジン」 いじめ
足りない「拠点校」 日本語学級
保母との意思疎通に壁 保育園
募る帰国後への不安 通信教育
来日伸び悩む「南米系」 留学生
文化のギャップ大きく 中途退学
二時間かけ通う“古里” パーティー
 “無断複製”からみ争い レンタルビデオ
二人を隔てる見えない国境 国際カップル
「言葉通じぬ」不安大きく 医療通訳
絶えない未加入の悲劇 保 険
祖父の地で深まる孤立感 メンタルケア
書類偽造し長期滞在 ニセ日系人
コカイン、売春に手染めて ウラ社会
交流乏しく、日常生活で摩擦も 地域社会
世俗の生活相談も持ち込まれ 教 会
寂しさ募るも将来は見えず 帰 国

第2部 南米日系人社会から

両陛下に見る「日本の姿」 祖国への思い
日系人意識薄れる三、四世 天皇と若者
無許可業者がデカセギあっせん 現地ブローカー
離れ離れ募る寂しさ 居残り家族
 “孤立化”深刻な状況に 高齢化
ありつけない希望の仕事 失 業
稼いだ資金で起業家に 成 功
言葉できず、学校に不適応も 帰国子女
  ルポ・サンパウロ市の初等学校
会話力落ち“外国語化” ニホンゴ
  ルポ・リマ市の日系人学校
増える帰国者の発症 精神障害
会長候補が落選直後に急死 県人会1
対立根深い会長、反会長派 県人会2
収入の九割近い県助成 県人会3
活動に参加少ない若手層 県人会4
現地に溶け込んで活躍 立身出世
不毛の地の開発に協力 ミッチー
未知の国での農業に夢持ち コチア青年
空洞化進む“日本人の街” リベルダーデ
心のよりどころを求めて 祈 り
「本場」目指し日本から留学生 サッカー
増える非日系人との結婚 恋人たち
南米でも日本でも少数派 ガイジン

第3部 共生の現場から

「この四年間一生の宝に」 二十歳の卒業
周囲の理解に支えられ 養護学校生7
仕事ぶりを認められて 社長抜てき
日本人より高い評価 キャディー
サッカー文化違い乗り越え レッドカード
 “住民の輪へ”場を広げたい 街角運動会
悩みや相談親身に対応 かけ橋
「身近な問題」ととらえて 交流活動
「日本で生きる」決意反映 日本国籍
拡大するコミュニティー 未来への道
日系人社会を問う インタビュー

〈解 説〉南米からのデカセギ帰国
       -日本人移民の歴史・現状・展望- 喜多川 豊宇
あとがき 読売新聞社金沢総局長 渡部 純一