さよならのかわりにきみに書く物語 田中正造の谷中村と耕太の双葉町
さよならのかわりにきみに書く物語 田中正造の谷中村と耕太の双葉町
(978-4-88748-280-7)
一色 悦子 / 挿絵 篠崎 三朗
田中正造と鉱毒被害民は
みずからの命と生活を守るために闘った。
東電福島第一原発事故のために故郷を追われた
耕太たち双葉町民はどうすればいいのか。
田中正造を忘れていません。
田中正造の谷中村は、国策の銅生産のために、鉱毒に苦しみ一人残らず村を追われた。ふるさとに生き土を耕し作物を作って食べる暮らしは、ぷつんととだえた。田中正造の「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」のことばをどう引き継いでいけばいいのだろうか。
福島を忘れていません。
耕太は双葉町から転校してきて、福島に残る友だちにうしろめたい。ここで、原発に追われた双葉町のことをだれにもいいたくない。田中正造のように、もう聞きあきたといわれながら、大きな流れに逆らって、渡良瀬遊水地に消えた谷中村のことを叫び続けたりしていない。
耕太は、いまのこころのふるえをきみに伝えたい。
東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故により、約10km離れた双葉町に住んでいた中学生の耕太は、茨城県古河市の祖父の家にひとりで避難した。そこで耕太は渡良瀬遊水地が足尾銅山鉱毒事件で重大な役割を果たしたことを知った。耕太は田中正造と谷中村民の闘いを調べるために、渡良瀬川最上流の足尾銅山跡へと向かった……。東電福島第一原発事故と足尾銅山鉱毒事件に迫る耕太の物語。
四六判/上製/160頁/定価1320円(本体1200円+税)
ISBN 978-4-88748-280-7
2013年10月1日 第1刷発行
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