孝子桜
孝子桜
小板橋武[絵・文]
そこには満開の桜の花が咲いていた。桜の花が見たいという病んだ父親の願いを叶えさせたくて、孝行息子の孝助は冬にもかかわらず、桜の木の下で毎日祈りつづけた。自分の死期を悟った父親は、花は咲いていなくても桜の木をひと目だけでも見たいと、孝助に頼んだ。次の日、父親を背負って孝助は桜の木のところに歩いていった。すると、そこには……。
「孝子桜」は宇都宮市立城山西小学校の校庭にある枝垂れ桜で、宇都宮市の天然記念物に指定されています。推定樹齢は400年と言われており、栃木県内はもとより全国的にみても古木の部類に入ります。毎年春になると、まるで老木に鞭打つかのように見事な花を咲かせるその姿が、こうした民話を生み出したのです。まさに地域のシンボルといえるでしょう。
B5横判/上製/24頁/定価 1047円(本体952円+税)
ISBN 978-4-88748-271-5
2012年12月19日 第1刷発行
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