下野狂歌の歌びと
 下野狂歌の歌びと

  匕盛が戯れ鳳鳴が詠う


  竹末広美

 下野発、狂歌の世界が広がる。
 本書は、狂歌に親しみ、狂歌で結ばれた下野の歌びとに光をあてる。第一章で、通用亭・散木子らの狂歌紀行ともいうべき『四季の遊』を翻刻し、第二章では、下野の「連」の活動を資料に基づいて解説する。第三章では、下野の狂歌師をできるだけ採集し、狂名・略歴を作品とともに紹介する。最終章では、近世下野の歴史と人物を狂歌・落首でたどる。(「はじめに」より)


四六判/上製/376頁/定価 本体3000円+税
ISBN 978-4-88748-295-1
2014年8月28日 第1刷発行

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著者プロフィール 

竹末広美   (たけすえ ひろみ)

1953年、栃木県に生まれる。
学習院大学法学部卒業。現在、今市工業高校教諭。
『藤原町史』・『いまいち市史』・『鹿沼市史』の各編さん委員を務める。栃木県歴史文化研究会会員。
著書に『下野じまん─番付にみる近世文化事情─』『日光の司法─御仕置と公事宿─』『日光の狂歌─二荒風体を詠む』『下野の俳諧─風雅の人ここにあり』(随想舎)、論文に「日光宿の研究」(『歴史と文化』創刊号)などがある。
第1回ふるさととちぎ歴史文化研究奨励賞受賞。


目 次


第一章 『四季の遊』を詠む


第二章 下野の「連」の活動

 1 概説
 2 「連」の活動


第三章 下野の狂歌師

 1 天雲仲道と足尾村の歌びと〈足尾〉
 2 呉服堂織輔と足利連〈足利〉
 3 壺枕亭三千成と今市宿の歌びと〈今市〉
 4 糟粕園文車と氏家連〈氏家〉
 5 下野庵宮住と宇都宮連〈宇都宮〉
 6 玄仲那言匕盛と十返舎一九〈大田原〉
 7 通蛙園章成と檀連〈大平〉
 8 清藻園魚文と太平山〈太平山〉
 9 浅鴬庵竹村と小山連〈小山〉
 10 散木子安良と鹿沼連〈鹿沼〉
 11 葦園正名と大芦連〈鹿沼〉
 12 文の門梅良と下小倉村の歌びと〈上河内〉
 13 上三川村と「下野歌枕」の歌びと〈上三川〉
 14 常陸帯長と烏山芙蓉連〈烏山〉
 15 喜連川町と『狂歌写玉袋』の歌びと〈喜連川〉
 16 持雲斎喰鯛と黒羽連〈黒羽〉
 17 六維園糸屑と佐野連〈佐野〉
 18 桃林舎枕石と塩原の歌びと〈塩原〉
 19 生得大酒と田沼連〈田沼〉
 20 桜籬亭家住と馴垣連〈都賀〉
 21 通用亭徳成と栃木連〈栃木〉
 22 宝来亭島人と那須連〈那須〉
 23 真名の門文照と馴垣連〈西方〉



 24 鳳鳴閣と山水連〈日光〉
 25 河野守弘と二宮連〈二宮〉
 26 森琴亭真問と卍連〈野木〉
 27 鼓腹亭実と烏山慈願寺歌合〈芳賀〉
 28 大金重貞と「百観音巡礼記」〈馬頭〉
 29 壺芳園顕雄と吉田村の歌びと〈南河内〉
 30 遅日庵根向と助谷村の歌びと〈壬生〉
 31 小宅文藻と真岡連〈真岡〉
 32 真垣庵菊人と茂木連〈茂木〉


第四章 狂歌・落首に見る下野

 天正一八年(一五九〇)、細川忠興が雄長老に狂歌を贈る
 慶安四年(一六五一)、将軍家光が死去する
 寛文一二年(一六七二)、浄瑠璃坂の敵討おこる
 享保一〇年(一七二五)、大久保常春が烏山藩主となる
 享保一三年(一七二八)、将軍吉宗が日光社参を挙行する
 明和九年(一七七二)、日光社参が延期される
 明和期、柳下泉が日光に参詣する
 安永元年(一七七二)、輪王寺本坊が炎上する
 安永五年(一七七六)、将軍家治が日光社参を挙行する
 安永五年(一七七六)、四方赤良が日光へ随行する
 天明三年(一七八三)、浅間山の大噴火
 文化五年(一八〇八)、志賀理斎が日光へ参詣する
 文化期、歌麿が「深川の雪」を描く
 文政七年(一八二四)、水野忠成が日光へ参詣する
 文政期、一橋家の家臣が宇都宮宿で消える
 嘉永六年(一八五三)、ペリーが浦賀に来航する
 文久三年(一八六三)、尊氏像が梟首される
 元治元年(一八六四)、天狗騒動が起こる
 慶応元年(一八六五)、宇都宮藩が棚倉国替えを命ぜられる
 慶応三年(一八六七)、大関増裕が海軍奉行となる
 慶応四年(一八六八)、下野北部の戦いが行われる