随想舎 

聞き書き 保育者は語る

栃木の保育文化を拓く試み

中村 悦子

語り手二十余名の息遣いから子どもたちと共に生きる教育者、保育者の奮闘ぶりが見えてくる。
 現在、少子化社会へ移行する中で子育て支援は喫緊の課題になっている。保育は、目の前の子どもたち、それは次世代を担う人々の育成であり、また子育てをする親たちなどの支援も期待されている。つまり保育の場は、地域の子育てを支えあう人々のセンターとして機能することである。そのためにも、この場の営みと重要さは、保育界を超えてもっと広く人々に知られなければならないだろう。ここに記された保育を担う人々の「語り」が、その一助となれたらと願う。(「おわりに」より)

A5判/上製/400頁/定価3300円(本体3000円+税)
ISBN 978-4-88748-293-7
2014年7月8日  第1刷発行 第1刷発行

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著者プロフィール

中村悦子   なかむら えつこ

1934年 栃木県生まれ
1957年 津田塾大学英文学科卒業
1957~1964年 お茶の水女子大学家政学部児童学科研究生および研究員
1965~1966年 キブツの研究でイスラエル滞在
1967~1981年 作新学院女子短期大学幼児教育科教員
1981~2003年 大妻女子大学家政学部児童学科教員
2003~2009年 宇都宮短期大学人間福祉学科非常勤講師
 現在 大妻女子大学名誉教授

単著 単訳書
『幼年絵雑誌の世界』高文堂出版社 1988
B.ベッテルハイム『夢の子どもたち―キブツの教育』白揚社 1977
共編著
「コドモノクニ」総目次 上下 九山社 1996、1998
分担執筆
『新保育と児童文化―保育文化をはぐくむ』学術図書出版社 1995
『子ども・児童学からのアプローチ』相川書房 1998
『日本の絵本史Ⅱ』ミネルヴァ書房 2002
『家族援助論』光生館 2003
『絵本の事典』朝倉書店 2011 他

目 次

井上初代氏に聴く ─ 奥が深い幼児教育
浅見容子氏に聴く ─ 地域に生きる保育者として
中臣昭範氏に聴く ─仏教保育の理念を礎に
荒居養一氏に聴く ─ 子守学校の心を引き継いで
小林龍雄氏に聴く ─ 激動の時期に全日私幼の会長を務めて
金子隆郎氏に聴く ─ 足尾の子どもたち 幼・児童期の生活をめぐって 1
福島和夫・スエ子氏に聴く ─ 足尾の子どもたち 幼・児童期の生活をめぐって 2
O氏と生沼博美氏に聴く ─ 足尾の子どもたち 幼・児童期の生活をめぐって 3
上沢謙二氏の仕事 ─ 鹿沼幼稚園園長として 1
上沢謙二氏の仕事 ─「赤ちゃんばなし」「幼児ばなし」をめぐって 2
上沢謙二氏の仕事 ─ 個人雑誌『ひとつ星』をめぐって 3
上沢謙二氏の仕事 ─ 個人雑誌『ひとつ星』をめぐって 4
大川繁子氏に聴く ─ 小俣幼児生活団の主任保育士として生きる
神長美津子氏に聴く ─ 幼児教育、そして「幼稚園」とは何かを問い続ける
中山昌樹氏に聴く ─ 認定こども園への道を歩む
木嶋浩史氏に聴く ─ ミュージシャンの経験を活かして
山口京子氏に聴く ─ 両親の仕事を受け継ぎ、次世代へと手渡す
佐々木桐子氏に聴く ─ 母の時代と私の時代─保育記録を通して考える
安藤紀子氏に聴く ─ 特別支援教育コーディネーターとして働く
小林順子氏に聴く ─ 臨床心理士として地域に生きる
人首健一氏に聴く ─ 聾学校幼稚部での聴覚に障がいのあるお子さんとの関わりから考える
渡邊秀子氏に聴く ─ 小学校での特別支援教育に携わって
高柳恭子氏に聴く ─ 国立大学附属幼稚園の研究体制に魅せられて
 幼児教育の歩み