日本の山の34年
 フォト・ルポルタージュ
 日本の山の34年

 写真と文 鈴木澄雄

 ブナの立ち枯れ、採石による山の変容、シカの増殖。日本の山の自然はどうなってしまったのだろうか?
 経済発展の後ろ側で自然がどんどん壊されていく。それでも、地道に自然を守る活動を続けている人たちがいる。


 B5判/並製/128頁/定価 本体2000円+税
 ISBN 978-4-88748-231-9
 2010年11月5日発行
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著者プロフィール 

鈴木 澄雄(すずき すみお)

 1951年東京都三鷹市生まれ。1歳になる直前に東村山に転居、武蔵野の雑木林が遊び場だった。5歳の頃に高尾山に登り、この時の思い出が長じて山好きになる契機になった。東京高専工業化学科卒業、5年半の化学会社勤務の後?のカメラマンをめざす。
 山の写真界は、芸術的に捉える白川義員氏と博物誌的に捉える田淵行男氏が両極に聳え、その間にたくさんのカメラマンが存在している。この混沌状態から抜け出すためには、と考えながら山に登っているうちに、自然の不思議と面白さを写せばよさそうだ、と思い至る。
 こういう被写体は山の中での滞在時間を増やさなければ見つからないので、白神山地以上の広大なブナ原生林におおわれている、といわれる福島県只見町への移住計画を進めている。現在は東京都小平市在住。

 著書に「丹沢を楽しむ」(夢工房)、「心が豊かになる山歩き術」(山海堂)「山の自然図鑑」(随想舎)。監修に「中高年のための山歩き」(主婦と生活社)、「絶景!! 富士山と花を眺める百名山」(講談社)など。写真展に「雪山」(モノクロ写真展・ドイフォトプラザ渋谷)、「丹沢写真展」(4人展・秦野市文化会館展示室)など。

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目 次

はじめに

第一章 丹沢 ― 衰退する自然

 稜線のブナの立ち枯れ
 崩壊する山
 [フィールド地図]丹沢概念図
 衰退する自然

第二章 各地のブナ林へ

 日本のブナ林
 日本海側のブナ林
  蔦温泉/白神山地/太平山/葛根田/船形山/女神山/浅草岳/天水山
 日本海側と太平洋側の中間タイプ
  玉原高原
 太平洋側のブナ林
  愛鷹山 天城山 大台ヶ原山 三頭山
 [地図]各地のブナ林
 日本海側と太平洋側のブナ林を比べてみると

第三章 植林山彷徨

 植林山を眺める
 植林の中へ
 花粉症の季節
 植林の立ち枯れ
 明るい植林地へ
 暗い植林地を明るい樹林へ


第四章 削られる山

 武甲山
 山のレポート「武甲山の30年」
 [フィールド地図]旧武甲山概念図
 奥武蔵
 奥多摩
 栃木三峰山
 丹沢・西山
 首都圏近郊の山の採石場

第五章 自然豊かな山、暮らしやすい都市

 山の自然保護運動の源流 ― 奥多摩・天祖山
 丹沢・西山の採石問題 ―「西山を守る会」
 クリーンハイク
 よみがえれ、山の緑 ― 足尾と丹沢
 現地見学会はレクリエーション感覚で

補遺(巻末エッセイ)
 山は満員
 増えすぎたシカ
 求む、登山者
 記録写真の勧め
 残されたブナ

  あとがき