随想舎 

下野の俳諧

風雅の人ここにあり

竹末 広美

「作風は旦那芸の域を出ず、俳諧は、地方名士の社会的地位や経済的実力を誇示するアクセサリーにすぎなかった」との批評もあろうが、下野に生活し風雅(俳諧)を友とした人々にこだわって編集した一冊。書名に「下野」を冠した俳書、「俳諧人名録」から江戸・明治初期の下野の俳人を収録。また下野の俳諧史を編むべく、江戸期の下野の俳人で知られるべき俳人を収載。

四六判/並製/360頁/定価3300円(本体3000円+税)
ISBN 978-4-88748-173-2

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著者プロフィール

竹末 広美  (たけすえ ひろみ)

1953年、栃木県に生まれる。
学習院大学法学部卒業。
現在、日光高校教諭。『藤原町史』『いまいち市史』『鹿沼市史』の各編さん委員を務める。栃木県歴史文化研究会会員(下野近世史セミナー世話人)。
著書に『下野じまん―番付にみる近世文化事情―』『日光の司法―御仕置と公事宿―』(随想舎)、論文に「日光宿の研究」(『歴史と文化』創刊号)などがある。
第1回ふるさととちぎ歴史文化研究奨励賞受賞。

目 次

第一章 下野の俳諧を詠む

 「続下野風俗」
 解題
 「誹諧下毛のはな」
 解題
 「下野みやげ」
 解題

第二章 俳諧人名録の人びと

 1 「上野下野武蔵下総当時諸家人名録」
 2 「俳諧人名録」
 3 「古今藝苑俳諧人名録」
 4 「俳諧海内俳家人名録」
 5 「俳諧文久五百題 附人名録」
 6 「下毛友がき」

第三章 下野の風雅人

 1 鹿沼連・日光連の人びと〈上都賀郡〉鹿沼/日光/今市/西方/粟野
 2 宇都宮連の人びと〈河内郡〉宇都宮/上三川/南河内
 3 岡田亀山と俳諧仲間〈芳賀郡〉真岡/二宮/益子/茂木/芳賀
 4 松園道雄と俳諧仲間〈下都賀郡〉栃木/小山/壬生/国分寺/野木/大平/藤岡/岩舟/都賀
 5 佐野江戸座の人びと〈安蘇郡〉佐野/生
 6 足利連の人びと〈足利郡〉足利
 7 黒羽連・烏山連の人びと〈那須郡〉大田原/黒羽/那須/南那須/烏山/塩原
 8 桜野連・氏家連の人びと〈塩谷郡〉氏家/高根沢/喜連川