随想舎 

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愛の人 田中正造の生涯

花村 冨士男

「亡国に至るを知らざれば之れ即ち亡国」。
 足尾銅山鉱毒事件・谷中村事件に生涯をかけて闘った田中正造は日本歴史上稀有の民衆政治家であった。

四六判/上製/248頁/定価2530円(本体2300円+税)
ISBN 978-4-88748-156-5

著者プロフィール

花村 冨士男  (はなむら ふじお)

1930年、福岡県飯塚市に生まれる。
1952年、栃木県立足利女子高校を皮切りに、佐野高校、宇都宮高校で教鞭を執る。1976年、宇都宮高校教頭、1979年からは今市高校長、宇都宮北高校長、宇都宮南高校長を務める。
この間、1974年から『田中正造全集』(岩波書店)の編集に参加する。

目 次

一、若き日の正造

 1 予は下野の百姓なり 13
 2 六角家騒動 16

二、民衆政治家の誕生

 1 江刺県での殺人疑獄 18
 2 民権運動家として 23
 3 国会開設運動 30

三、栃木県会での活躍

 1 自由党と改進党 36
 2 三島県政に抗して 41
 3 県会議長就任 51

四、民党政治家として

 1 第一回総選挙 54
 2 「栃鎮」と呼ばれて 59
 3 藩閥政府との闘い 64
 4 隈板内閣成立前後 72
 5 歳費辞退から議員辞職 78

五、足尾銅山鉱毒事件

 1 足尾銅山と古河市兵衛 82
 2 第一回鉱毒質問 87
 3 示談交渉の経緯 93

六、拡大する鉱毒被害

 1 鉱業停止請願運動 96
 2 押出しと鉱毒予防令 100
 3 面会拒む「我々の政府」 104

七、川俣事件から天皇直訴へ

 1 鉱毒議会の結成 110
 2 仇討請願と川俣事件 114
 3 前橋公判での闘い 120
 4 鉱毒調査有志会による支援活動 128
 5 議員辞職と直訴の衝撃 132
 6 被害地救済活動の広がり 139

八、鉱毒問題から治水問題へ

 1 運動の衰退と東京鉱毒事務所の閉鎖 148
 2 被害地豊作の波紋 153

九、谷中村事件

 1 谷中村遊水池化案が浮上 157
 2 谷中廃村の内的要因 160
 3 正造、谷中入村 166
 4 谷中村買収案をめぐる攻防 172
 5 谷中村を追われて 174

十、谷中村強制破壊

 1 谷中廃村と一坪地主運動 179
 2 土地収用法との闘い 185
 3 収用審査会の裁決くだる 190
 4 七日間の強制破壊 193
 5 谷中村救済会の活動 196

十一、谷中の復活へ向けて

 1 洪水と闘う残留民 202
 2 渡良瀬川改修工事 209
 3 治水論の展開 216

十二、最晩年の思想

 1 「今日主義」とキリスト教 220
 2 「ここも敵地だ」 228
 3 巨星墜つ 233

 田中正造略年譜 236